
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
平素より格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。
私たちAIST Solutionsは、2023年4月の始動以来、産業技術総合研究所(産総研)が有する豊富な技術資産を基盤に、「イノベーションエコシステムの中核」を目指し、企業の皆様との協業を通じて社会課題の解決と日本の産業競争力の強化に取り組んでまいりました。発足当初は約120名でスタートした組織も、この2年余りの間に多様な分野のプロフェッショナルが集い、現在では240名を超える体制で価値創造に挑んでいます。
おかげさまで事業は着実に成長を続けており、これもひとえにお客様をはじめとするパートナーの皆様のご支援・ご協力の賜物であると、改めて深く感謝申し上げます。
さて、AIST Solutions設立後の2年9か月を振り返りますと、生成AIをはじめとする先端技術が社会や産業の構造を大きく変える中、経済安全保障の観点も含め、技術の位置づけが急速に変化していることを実感しています。こうした環境の中で、国の研究機関が有する技術・研究資産をベースに企業様との大型共同研究や社会実装プロジェクトを立ち上げてまいりました。
本年は、量子、AI・半導体をはじめとする、日本の産業競争力強化において重要な分野での取り組みを、より一層進めます。量子分野においては、産総研のG-QuAT(量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター)を活用したサプライチェーンエコシステムの構築に取り組みます。また、日本国内おける生成AI技術の研究開発・応用実証環境の確保という重要課題に対しては、昨年に稼働を開始した大規模AIクラウド計算システム「ABCI 3.0」を、より魅力的なサービスへと進化させます。これらに加え、半導体分野においても、設計領域で提供可能なソリューションの強化を進めるとともに、最先端半導体製造技術開発に関する取り組みについて、ステークホルダーの皆様との対話を一層深めます。
社会課題の解決に向けては、引き続き、産総研のFREA(福島再生可能エネルギー研究所)や、環境影響評価のためのインベントリーデータベース「IDEA」を活用した脱炭素ソリューションを展開します。サーキュラーエコノミーの実現と深化に向けては、産総研が有するPET(ポリエチレンテレフタレート)のケミカルリサイクル技術の社会実装に向けた取り組みを、パートナーの皆様と連携しながら進めます。
また、私たちは昨年10月、オープンイノベーション特化型生成AIプラットフォーム「Bibbidi(ビビディ)」を開発しました。本プラットフォームは、産総研が保有する約15万件の技術情報を、お客様の事業課題や市場ニーズと結びつけることで、オープンイノベーションの創出を加速させるものです。今後もお客様の声に真摯に耳を傾けながら、より魅力的なプラットフォームへと進化させます。これらに加え、産総研の知的財産をより活用しやすくする施策にも取り組みます。
さらに、特色あるスタートアップの創出についても、これまで以上に力を入れてまいります。私たちは現在までに8社のスタートアップを“AISolスタートアップ”として産総研グループの総力を挙げて多様な支援をしており、昨年3月にはデータセキュリティ分野で卓越した技術を持つ株式会社ZenmuTechが、東京証券取引所グロース市場へ上場しています。今後も独創的な技術や事業構想を持つスタートアップとともに共創活動を推進します。
本年もAIST Solutionsは、プロフェッショナル集団として進化を続け、皆様とともに新たな価値創造に挑戦してまいります。引き続き、産総研グループならびにAIST Solutionsへの変わらぬご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
末筆ながら、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
株式会社AIST Solutions 代表取締役社長
逢󠄀坂 清治