マテリアル産業は日本経済を牽引する産業の一つであり、世界からも大きく注目されています。その一方で製品特性を左右するマテリアルに求められるニーズは多様化・複雑化しており、迅速な社会実装に向け、新しいデータ駆動型の開発基盤の構築が重要な課題となっています。
産総研グループでは、初心者の方でも使える各種アプリの公開を進め、これらのツールを使いこなしデータ駆動型の開発を担う人材に向けた育成講座も開設しています。また、材料開発DXの導入を容易にするプラットフォームの開発を進め、材料開発DXを加速させます。
材料解析技術の社会実装に向けたアプリの公開
産総研グループ公開しているアプリ
・プログラミング知識不要、マウス操作中心で直感的に利用可能
・分光・質量分析データからAI・統計学的手法を活用
・材料開発DX（データ駆動型研究）を推進
・自社データを外部に共有せず、安全に活用できる環境を提供
これらのアプリは、現場での使いやすさと安全性を重視し開発されています。
化学分析から材料開発まで幅広くカバーしており、データ駆動型研究（インフォマティクス×AI）の実現を支援。産業界のDXを加速します。
| 化学データ解析 | |
|---|---|
| アプリ名 | 説明／具体例 |
| PCA ToolBox | 主成分分析による特徴抽出 ≫ 分析装置で得た多変量データに広く適用可能 |
| Reg ToolBox | 機械学習による物性値予測 ≫ 測定データから物性値を予測するマテリアルズインフォマティクス |
| ResPLot ToolBox | マススペクトルの類似性分析 ≫ プラスチック材料間の組成の違いの分析 |
| 2DCOS ToolBox | 二次元相関解析 ≫ カーブフィッティング。分光データに広く適用可能 |
| AIST-MCR ToolBox | スペクトル波形分離 ≫ 分光スペクトルの特徴抽出。分光データに広く適用可能 |
| SpectroFit | 近赤外スペクトルによるプラスチック判定 ≫ リサイクル材中のプラスチック含有量を分析 |
| 新規材料開発 | |
|---|---|
| アプリ名 | 説明／具体例 |
| AISTex-Modeling App | 自社データを学習させて深層学習モデルを作成 ≫ 材料の微構造写真からその材料の機械的特性を予測するモデルを作成 |
| AISTech-Predictor App | 材料画像から破壊靭性・強度・熱伝導率などを予測 ≫ AISTex-Modeling Appで作成したモデルをもとに、知りたい材料の微構造写真から機械的特性を予測 |
| DCBO_App（Data Cleansing for Bayesian Optimization） |
実験データをクレンジングし、最適なガウス過程回帰モデルを構築 |
| MOBO_App（Multi-Objective Bayesian Optimization） | 複数の目的変数を同時に最適化し、推奨実験条件を提示 ≫ データクレンジングした後の実験データを用いて、目的変数の制限（〇〇以上〇〇以下など）を与えた状態で、多目的ベイズ最適化によりその条件を満たす最良の実験条件を求める |
MI・PIを加速させる次世代材料研究DXシステム
インフォマティクス×データ利活用基盤×実験自動化
実験データ・プロセスを 価値のあるデータ に変える。MI・PIを加速させる次世代材料研究DXシステムの提供
材料開発の現場でMIや自動化の導入が進む一方で、「装置や実験の記録形式がバラバラで統一的に扱えない」「MIや材用実験の結果や知見が属人化し、再現や継承が難しい」など、MI・自動化・データ管理それぞれに課題があり、組織的に効果が発揮できないというお声を耳にします。
産総研グループが提供する、プラットフォームサービスは、MI・自動化の効果を“組織”として発揮し、材料・化学業界の研究開発を加速させます。
- すべての開発知見を逃さず記録。データが次の開発や技術継承の資産に
- 小規模から導入し、他部門・多拠点連携もスムーズ
- 既存設備・システムやデータと親和性
- 専門知識ゼロでも標準データフォーマット （MaiML）活用可能
- 万全なセキュリティ
バラバラのデータ・プロセスを簡単・柔軟・確実に蓄積
各装置から出力されるバラバラなデータ・材料や用途ごとにバラバラな実験プロセスを一つのシステムで統合的に扱うことができます。簡単なUIでデータ入力検索できMIに使いやすい質の高いデータ蓄積が可能です。自動化ための複数機器の統合制御や産総研で開発するMI/PIも併せて提供できます。
・データ安全性 ・拡張性 ・ユーザビリティ ・可用性 ・マルチモーダル ・自動/リモート ・再利用性
数十年後も担当者が変わっても資産として使えるデータ蓄積
知識がなくても計測データの標準フォーマットで記述・蓄積ができます。属人性から脱却し、部署横断的に参照可能となり、組織としてデータを利活用可能な資産として保有することができ、MIの効果を組織として最大化することができます。
実験プロセス参照による気づき・研究レビュー時のプロセス理解・コスト予測・実験の予実管理などにも活用可能
固有ID、実験名、機器名などの分散データ管理下のデータの多要素検索が可能です。
材料開発・実験フロー・プロセス毎の「機器設定値」「投入材料属性」「測定値（標準値/実測値）」等を生成見える化により、他部門・他拠点連携がスムーズに行えます。
最先端の「知」 × 「スクール型」テクノナレッジ講座
~未来を動かす技術を学ぶ~
テクノナレッジ講座は、企業の研究者やエンジニアが各産業分野において、最先端の知見や技術を短期間で学習し、現場で実践的に活かせることを目的として開催しています。
講師陣は産総研の精鋭研究者が担当し、“新しい技術を基礎から学びたい・学び直したい”方から、“開発・製造現場において即戦力となるスキルを身に習得したい”方にも対応した内容となっています。
講座はオンラインもしくはオンサイト（産総研内）で、1～3日間の期間で開催します。
※講座によって期間が異なります。
現在、参加者募集中の講座は「イベント／ウェビナー テクノナレッジ講座一覧」でご確認ください。
講座のポイント
- 国研の試験を直接吸収！
最先端の技術を知識を、現場で活躍する技術者が短期間で理解し、すぐに実践できるスクール形式で実施。 - “使える”スキルを即インストール！
基礎知識だけでなく、開発・製造の最前線で即戦力になる実践的なノウハウも習得可能。 - 仲間もできる、視野も広がる！
参加者や講師とのディスカッションを通じて、ネットワーク構築や刺激のある交流の場を提供。 - 未来につながる伴走支援！
受講後も、技術コンサルティングや共同研究などの連携で、研究から技術開発、事業構築までAIST Solutionsが一気通貫でサポート。
お問い合わせ：プロデュース事業本部 テクノナレッジ支援チーム
MDX-SupportTeam＠aist-solutions.co.jp
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