新着情報
- 2024年11月20日 産総研マガジン「高性能で使いやすいAI橋渡しクラウドで生成AIの開発と社会実装を加速する」
- 2024年10月10日 産総研:お知らせ「大規模AIクラウド計算システム「ABCI 2.0」が「ABCI 3.0」にリプレース」
- 2024年 日経電子版掲載インタビュー 「国内最高峰の技術で企業のオープンイノベーションを後押し」
AI橋渡しクラウド(AI Bridging Cloud Infrastructure、ABCI)は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所が構築し、株式会社AIST Solutionsが運用する、AI技術開発・橋渡しのためのオープンな計算インフラストラクチャです。2018年8月に本格運用を開始し、2021年5月にABCI 2.0にアップグレードされました。
ABCIは、我が国における産学官によるAI研究開発を加速するオープンイノベーションプラットフォームとして、国内最大級の計算能力を活用したAI技術の研究開発・実証、社会実装の推進、AI分野の最重要課題への挑戦を目的としています。
ABCIでは、特に生成AIに関する基盤的な研究力・開発力を国内に醸成する必要性から、2023年度より生成AI開発加速のために重点的に計算リソースを配分してきました。2024年度以降は生成AIモデルをはじめとした最先端AI技術の研究開発能力の強化のため、国内の産学官、特に国研やスタートアップ等による公的研究開発に重点的に計算リソースを提供していきます。
-2025年 最新GPUを導入し計算能力が大幅にアップグレードされた「ABCI 3.0」の提供がスタートします-
ABCI 3.0は、最新のNVIDIA H200 GPUを計6,128基搭載した766台の計算サーバー、75PBの容量を有するオールフラッシュストレージ等から構成されます。理論ピーク演算性能(FP16)は6.22 EFLOPS(従来比7.3倍)に大幅アップグレードされます。AIの研究開発がすぐに始められるソフトウェアスタックを備えるほか、学習済みモデルの再利用等、AI開発を容易にする「AIハブ」サービスを提供します。
ABCI 3.0
計算サーバー
大幅アップグレードにより、世界に伍する生成AIモデル開発が可能
- ABCI 3.0は、生成AIモデルをはじめとした最先端AI技術の研究開発能力の強化を目的として、従来ABCIを大幅に刷新するものです。
従来不可能だった規模の⼤規模⾔語モデル開発、実世界データを⽤いた基盤モデル開発、それらを組み合わせたマルチモーダルAI開発等、世界に伍する最先端AI技術開発を可能にします。ABCI 3.0は、経済産業省「生成AIの基盤的な開発力強化に資する計算資源の整備」(令和5年度補正)の一環として整備するものです。
- ABCI 3.0は、生成AIをはじめとした最先端AI技術の研究開発・評価・人材育成に優先的に提供します。また、NEDOポスト5G事業の一環として実施中の生成AI開発加速プロジェクト「GENIAC」とも連携し、開発成果の迅速な社会実装に向けた取り組みを推進します。
世界でも有数の性能を誇るABCI 3.0が本格的に稼働し、
皆様にご利用いただく準備が整いましたことを御案内いたします。
プロデュース事業本部 事業構想部事業 プロデューサ 小川 宏高
生成AIは、従来のAIでは不可能だった様々な創造的な作業を人間に代わって行える可能性があることから、産業活動・国民生活に大きなインパクトを与え、地球規模の変革をもたらす、いわば「触媒」として期待されています。こうした中、日本国内における生成AIの研究開発能力を迅速に育成していくことが重要となっています。生成AIの開発には、とりわけ大規模・高性能な計算基盤と大量かつ多様で良質なデータが不可欠であり、これらの確保が競争力を左右するというのは衆目の一致するところであります。産総研グループとしても、2018年8月以来、公的機関としては国内最大級のAI計算基盤及びデータ基盤の提供を通じて、我が国の産学官による生成AI開発を微力ながら下支えしてまいりました。
今回、2025年1月20日より提供を開始するABCI 3.0では、高性能で省電力の最新GPUの採用等により大幅な性能向上・容量拡大を果たすとともに、従来ABCIの技術基盤を継承して利用者にとって使い勝手のよい利用環境を提供します。利用制度にもメスを入れ、国研・大学やスタートアップ等による公的な研究開発への優先提供、生成AIの高度化に資するデータ利活用実証の支援、地方でのAI開発を支援する地方優先枠の導入をはじめ、様々な改革を進めてまいります。
最後に、ABCI 3.0の提供によって、我が国の生成AI研究開発がさらに促進され、より多くの皆様にその成果をご活用いただけることを心より願っております。今後とも皆様のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。