――脱炭素に向けた具体的な取り組みを教えてください。
例えば、福島復興のシンボルでもある福島再生可能エネルギー研究所「FREA(Fukushima Renewable Energy Institute, AIST)」(福島県郡山市)は、脱炭素技術研究に直接つながる施設です。「ABCI(AI Bridging Cloud Infrastructure)」(千葉県柏市)は世界トップクラスの演算性能を持つAI研究のためのオープンプラットフォームで、通常のスパコンに比べ電力の消費を抑えることで脱炭素に貢献します。
――FREAはどのような特徴がある施設なのでしょう。
再エネに特化した最大の国立の研究拠点で、独創的な研究開発はもとより、同時に被災地の再エネや水素に関する産業集積を通して復興支援に貢献していくのが重要なミッションです。アイストソリューションズの主要6領域の一つ、エナジーソリューションの中心にある施設です。約7万8000平方メートルの広大な土地に太陽光、風力、地熱発電と地中熱利用のすべての実験施設がそろっています。次世代エネルギーとして注目される水素については、再エネにより水を電気分解して、工程で温暖化ガスを発生させないグリーン水素を製造する大がかりな実証実験ができる設備もあります。