■イベント概要
近年、プラスチックや接着剤をはじめとする石油由来製品の環境負荷が世界的な課題として注目されており、脱炭素社会の実現に向けた「持続可能な代替材料」の開発が急務となっています。ミドリムシがその細胞内に大量に貯蔵するパラミロンと呼ばれる多糖は、プラスチック、繊維、化粧品、更には医用材料など、幅広い材料に展開可能なサステナブルな素材です。
今回は、ミドリムシ(パラミロン)を原料とした高接着力・易解体性を兼ね備えた新しいバイオ接着剤技術の最新の研究成果と、その多様な産業分野への応用可能性を紹介し、藻類の培養から化学変換、製品応用までを一貫してつなぐ「藻類化学」というコンセプトのもと、従来の石油由来接着剤に代わる持続可能な材料としての可能性を探ります。また、「自動車の性能向上と環境負荷低減を実現する車体構造接着技術」と題し、マツダ株式会社の山本氏より自動車組み立てにおける接着技術動向についてご紹介いただきます。
微生物培養、プラント設計、材料開発からユーザーまで、異分野のプレイヤーが一堂に会することで、業界横断的なバリューチェーン構築や事業共創のきっかけとなる場を目指します。会場では、ミドリムシ接着剤の実物展示やポスターセッション・懇親会も併催し、活発な意見交換・ネットワーキングの機会もご用意しております。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
<キーワード>
バイオ接着剤、ミドリムシ、パラミロン、藻類化学、微生物培養、バイオ素材、生分解性素材、易解体材料、循環型社会、センシング技術、グリーンマテリアル、車体構造接着技術
お申し込みはコチラから(無料)
※申し込み〆切:9月4日(木曜日)
※申し込み後、当日の案内メールが届かない方は、お手数ですが( M-umekitasite-ml@aist.go.jp)までご連絡ください。
■こんな方におすすめ
・バイオ由来素材やグリーンケミストリー、微生物培養に関心のある化学メーカーの方
・サステナブルな接着技術を模索している自動車・輸送機器・産業機器関連企業の方
・藻類・発酵・培養技術を活用した新規事業を検討中の食品・農業関連企業の方
・化粧品・医薬分野で高機能バイオ素材の応用を模索している方
・燃料・エネルギー分野で藻類を活用した次世代技術に関心のある方
・接合技術や材料評価、センシングに携わる研究・技術者の方
・ミドリムシの可能性をもっと拡げて新たな素材を開発したいと考える企業の方
・次世代を意識したバイオものづくりについて考えたいすべての方
・技術者の方・地球環境・資源循環・脱炭素に貢献する新素材技術の社会実装に関心のあるすべての方
■プログラム
時間
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講演タイトル
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講演者所属
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講演者名
(敬称略) |
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開場 14:00 |
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14:30~14:35 |
開会挨拶 |
産総研 生命工学領域長 |
千葉 靖典 |
14:35~14:40 |
来賓挨拶 |
近畿経済産業局 地域経済部 |
石原 啓晶 |
14:40~14:55 |
(未定) |
京都大学 大学院農学研究科 教授 |
小川 順 |
14:55~15:25 |
「ミドリムシから始まる接着剤開発 |
産総研 |
芝上 基成 |
15:25~15:55 |
「ミドリムシ接着剤 |
産総研 センシング技術研究部門 製造センシング研究グループ 研究グループ長 |
寺崎 正 |
15:55~16:15
|
「自動車の性能向上と環境負荷低減を実現する車体構造接着技術」 |
マツダ株式会社 |
山本 研一 |
16:15~16:25 |
「ミドリムシを起点とした一気通貫のバリューチェーン構築へ |
AIST Solutions コーディネート事業本部 連携推進部 |
濱崎 任布 |
16:25~16:30 |
閉会挨拶 |
産総研 |
萩原 義久 |
ポスターセッション 16:30~17:00 |
■開催概要
日 時
2025年9月8日(月曜日)14時30分〜18時00分
※終了時刻は多少前後する可能性があります。
定員:120名(会場)
形式:ハイブリッド(会場/オンライン)
参加費:無料
懇親会:有料1,000円(現地にてお支払いとなります)
会 場:グラングリーン大阪 北館 JAM BASE 4階 CONFERENCE 4-1・4-2
主催:産業技術総合研究所、AIST Solutions
共催:関西経済連合会
後援:近畿経済産業局
視聴方法:オンライン配信となります。視聴はブラウザから可能です。
■登壇者
産業技術総合研究所
モレキュラーバイオシステム研究部門
招聘研究員 芝上 基成
1989年大阪大学大学院工学研究科応用精密化学専攻博士前期課程修了、同年通商産業省工業技術院化学技術研究所(現・国立研究開発法人産業技術総合研究所)入所。96~98年米リーハイ大学客員研究員、2008年国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)出向、10年産総研に復職。
以来、藻類バイオマスを原料とするものづくり(藻類化学)を研究。博士(工学)。
座右の銘は「どこかで誰かが見ていてくれる(日本一の斬られ役・福本清三さんの言葉」
産業技術総合研究所
センシング技術研究部門 製造センシング研究グループ
研究グループ長 寺崎 正
九州大学で学士、修士、博士(工学)終了後、2003年4月から国立研究開発法人 産業技術総合研究所に入所。研究員、主任研究員、研究グループ長を経て、2020年4月より研究チーム長として今に至る。その間、UC San Diego客員研究員を兼務。専門は、応力発光や静電気発光など、【見えない情報の可視化技術】。
省エネ・CO2大幅削減のための軽量部材、接着接合にたいして、破断に至る起点や過程の応力発光可視化を手掛けるうちに、接着長期安定への高いニーズと、その鍵が界面にある事に気づき、レーザー表面処理を用いた車体接着長期安定化への界面設計に挑んだ。また近年は、資源循環という新たな社会要請に向けて、接着の強度・長期安定と易解体という一見背反する性能の両立という挑戦が始まり、ミドリムシ接着剤がその先駆けとして、高強度30MPaと易解体を実現し、様々な異種材料接着を可能にする、未来を貼る接着剤である点、紹介したい。
マツダ株式会社
講演者 R&D戦略企画本部 開発戦略企画部 上席研究員 山本 研一
連名者 技術研究所 シニアスペシャリスト 麻川 元康
技術研究所 アシスタントマネージャー 氷室 雄也
(講演者経歴)
1992年、マツダ株式会社に入社。技術研究所に所属し、機能性材料・接合技術、材料分析技術の研究開発に従事。2023年よりR&D戦略企画本部に所属し、資源循環等の技術戦略策定に従事、現在に至る。2019年に自動車技術会 第11回技術部門貢献賞(疲労信頼性)、2020年に第70回自動車技術会賞(技術開発賞)、2025年に第57回市村賞(市村産業賞 貢献賞)を受賞。学術博士、自動車技術会フェロー。
■会場へのアクセス 地図
グラングリーン大阪 北館 JAM BASE 4階 CONFERENCE 4-1・4-2
◆JR大阪駅 中央北口アトリウム広場から、2階連絡デッキでグランフロント大阪 南館2階、グランフロント大阪 北館へ進んでください。
◆グランフロント大阪 北館 から接続ブリッジでグラングリーン大阪 北館 JAM BASEへ渡ってください。
◆タリーズコーヒー(有隣堂)を抜け、エスカレーター手前、右手のエレベーターで4Fへおあがりください。
お申し込みはコチラから(無料)
※申し込み〆切:9月4日(火曜日)
※申し込み後、当日の案内メールが届かない方は、お手数ですが( M-umekitasite-ml@aist.go.jp)までご連絡ください。